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ITベンチャーで働く20代の読書記録

更新日:2020年07月06日

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生産性

日本企業はリーダーシップと生産性の重要性をしっかりと理解し、真摯にその向上に取り組めば、今よりはるかに高い地点に到達できるはずである。 リーダーシップについて詳しく論じた書籍「採用基準」の著者による続編。 ビジネスに不可欠な生産性の観点と、生産性向上のためのアプローチ、組織全体の生産性向上を図る方法など、 生産性について徹底的に説明されている一冊。

「アウトプットを増やしたければ、その分、インプットを増やすべき」という発想には、生産性の概念が完全に欠如しています。 これは「ある仕事を仕上げるには50時間が必要だ。したがってその10倍の仕事を仕上げたいなら、500時間の労働時間が必要になる」というロジックと一緒です。 インプット量を増やすためには、かけるべき努力や時間、お金などのリソースが跳ね上がります。 生産性の観点から見れば、こういったとにかくインプット量を増やす方法は、最も避けるべき方策です。

「あの人は本当に優秀だ」と目される人が、長時間オフィスに滞在し、ものすごい量の仕事をこなしている人ではなく、どれだけ仕事が集中しても、明確な優先順位と迅速な意思決定、そして高いスキルによって、みんながびっくりするほど早く仕事を終わらせてしまう人のことを指す職場となるよう変えていくこと。 経営者、管理職に役割には、そういった意識改革を起こすことも含まれているのです。

本当の意味で仕事ができる人というのは、少ないインプットで高い成果の出せる生産性の高い仕事のやり方を考案し、その仕事が他の人にも可能になるよう言語化し、移植できる人です。 そして自分自身は、どんどん違う仕事にもチャレンジしていく人のことです。 「自分にしかできない仕事」にこだわり、その仕事に忙殺されて他の新しい仕事にチャレンジする余裕を持てず、何年も同じやり方で同じ仕事を続ける人を「できる人」と呼ぶべきだとは思えません。

完璧主義な人は「中途半端なままで投げ出すのはよくない」と考えがちですが、そういう人は、必要十分なレベルと中途半端なレベルの違いが理解できていません。 それぞれの仕事に関して必要十分とはどのようなレベルなのか、それを見極める判断力こそがビジネスパーソンには求められているのです。