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ITベンチャーで働く20代の読書記録

更新日:2020年07月05日

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ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則

偉大な企業への飛躍、持続に必要なのはたった1つの行動や驚異的なイノベーションではない。 それはむしろ、巨大な弾み車を押し続けるのに似ている。 突出した業績を挙げている企業は、成長し続けるための好循環プロセス、いわゆる「弾み車の法則」を独自に持っている。 本書では、その弾み車の法則をどのように作り、実行し続けるか。どのように拡張し、どのように様々な事業に展開していくべきかを、様々な事例とともに紹介している。 これは経営者だけではなく、様々な組織、団体、個人にも当てはまる法則であることも、多くの事例とともに説明されている。

大きな成功を収めるのは、弾み車を10回まわしたら、さらに10億回まわし続ける会社だ。 10回まわしたら新しい弾み車で一からやり直し、また別の何かへとエネルギーを浪費する会社ではない。 決して弾み車をおろそかにしてはならない。 創造力と規律を持ち、初めてまわした時と同じ真剣さで手を止めずにまわし続け、勢いを強めていこう。

目標を書き連ねてそれを単に並べて終わり。ということは絶対にしないでほしい。 弾み車の効果を最大限に引き出すためには、 1つの要素を完璧に実行すれば、次の要素の効果をさらに強め、さらにその次の要素の効果をより強める。 という連鎖反応のようになっているべきだ。

戦略的誤りの中でも最も重大な、そして最もよく見られるものの1つが、つかみとった勝利から積極的に、粘り強く、できるだけ多くの価値を引き出そうとしないことだ。 経営者がこの誤りを犯す一因は、ひたすら「新たな金脈」を探すのに夢中になることだ。

一番大切なのは、自社の弾み車をしっかり理解し、何度もループを繰り返す中で1つ1つの構成要素を確実に実行することだ。 圧倒的勝者とその他を分けた要因は、手にした成功を弾み車に転換する能力であり、たとえ先行企業に遅れをとっていてもそれは問題ではなかった。

偉大な企業の歴史を振り返ると、頻繁に出現するパターンがある。 まずは特定の事業分野で成功を収める。 まもなく「1つの事業を運営する」という発想から、「弾み車をまわす」に転換する。 そして、うまくいくという実証的有効性が確認できてから、大きな賭けに出る。 時間をかけて弾み車を拡張していく。 それと並行して、不確実性への備えとして、成功する可能性を秘めた新しい事業を見つけるために銃弾を発射するのだ。