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ITベンチャーで働く20代の読書記録

更新日:2020年06月12日

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イシューからはじめよ

個人に求められる成果が徐々に高まっている現代において、高いパフォーマンスを出し続けるために、繰り返し何度も読みたい一冊。 圧倒的に生産性が高い人にはどんな特徴があるのか? 本当に優れた知的生産の手法とは何だろうか? 意味あるアウトプットを一定期間内に生み出す必要のある人にとって、本当に考えなければならないことは何か? カギとなる考え方は「イシュー」である。 この、イシューという考え方を軸に生産性や知的生産の本質を解き明かしていく。

生産性を上げたいなら、同じアウトプットを生み出すための労力・時間を削り込まなければならない。 あるいは、同じ労力・時間でより多くのアウトプットを生み出さなければならない。 では、「多くのアウトプット」とは何だろうか? 言い換えれば、「意味のある仕事」とは何だろうか? こうした意味のある仕事のことを「バリューのある仕事」と呼ぶ。 「バリューのある仕事とは何か」という問いへの答えがわからなければ、生産性など上げようがないのだ。

バリューのある仕事とは、2つの軸から成り立っている。 「イシュー度」と「解の質」だ。 イシュー度とは、「今の局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」であり、 解の質とは、「イシューに対して、どこまでに明確に答えを出せているかの度合い」である。 そして、重要なのはイシュー度である。 イシュー度の低い仕事に対して、どれだけ解の質を高めても、生み出す価値はほとんど無い。

【良いイシューの条件1:本質的な選択肢である】 選択肢があり、どちらになるかでその先の行動に大きな影響を与えるものでなければならない。 そうでなければ、イシュー、つまり「今の局面で答えを出す必要のある問題」とは言えない。

【良いイシューの条件2:深い仮説がある】 仮説を深いものにするためには、2つの定石が役立つ。 ・常識を否定する あらゆる前提や直感に反する視点、あるいは全く新しい異なる視点で説明できるものがないかを考えることで、仮説が深くなる。 ・ 新しい構造で説明する これまで無関係だと思っていた情報の間につながりを見出す。 共通性、関係性、グルーピングの発見で深い洞察を得られる。 新たな発見や洞察を得られれば、大きな戦略的アドバンテージになる。

【良いイシューの条件3:答えが出せる】 本質的な選択肢であり、深い仮説があっても、答えを出せないものは良いイシューとは言えない。 「答えを出せる範囲で、もっともインパクトのある問い」こそが意味のある良いイシューである。 答えを出せる見込みがほとんど無い問題が存在することを認識し、そこに時間を割いてはならない。